SDS作成にお困りの企業は多いでしょう。難しく手間もかかる作業ですが、安衛法で定められていたとしても、リスクが少ない条件に当てはまればSDSを提供する必要はありません。SDS作成が不要なケースについて理解しておくことが大切です。
安衛法ではSDSの提供が必須?
安衛法(労働安全衛生法)や化管法(化学物質排出把握管理促進法)に当てはまっていても、SDSの提供は必ずしも必須ではありません。これに似たルールに毒劇法(毒物及び劇物取締法)があります。毒劇物に関する法律となっているのですが、指定物質が含まれていたとしても毒劇物には当てはまらないケースがあるのです。
毒劇物によっては被害等となる濃度閾値が設定されている場合もあり、いろんなケースで毒劇物に当てはまらない場合があります。安衛法や化管法に関しても同様です。基本的にはSDSの供与が義務付けられていますが、場合によってはそれを行わなくてもよいケースがあるのです。
安衛法に当てはまる物質が含まれていたとしても、含有量が既定の値未満だったり、一般消費者の生活のために使用するプロダクトだったりすれば、SDSの提供は不要です。
なぜ、安衛法が設けられているのかというと、化学物質による環境や人体への影響を防ぐためです。化学物質には有害なものが多くあるため、それらに対して適切な取扱いをするために安衛法が定められており、SDSを提供される側がそのプロダクトを安全に利用するために設けられている制度です。
逆にいえば、リスクさえなければSDSの提供は不要です。含んでいる量が対象となる値よりも低いということは、そのプロダクトが環境や人体に与える影響は少ないということになります。
一般消費者の生活のために使用するプロダクトに関しては、安衛法や化管法の対象外ですのでSDSの作成義務はありません。消費者が誤って利用することに対しては別の法律できちんと規制しています。
こういった理由から安衛法に当てはまる物質がプロダクトに含まれていたとしても、SDSの提供が必ずしも必須ではないケースがあるのです。他にも医薬品医療機器等法で定められている医薬品や医薬部外品、化粧品、農薬取締法で定められている農薬などはSDSの提供は不要です。
化管法に関しても同様です。対象化学物質の含有量が1%未満(特定第1種化学物質の場合は0.1%未満)の製品にはSDSの提供が義務付けられていません。他にも固形物や密封された状態で取扱うプロダクト、消費者の生活のために利用されるプロダクト、再生資源などに関してはSDSの提供が不要です。
基本的に当てはまる成分が含まれていたらSDSを提供しなくてはなりません。例外的に提供しなくても問題がないケースもありますが、現在の化管法・安衛法は、ほとんどの化学物質にSDSの提供が義務付けられる方向に順次改正されていますので、今後の動向には十分に気を付ける必要があります。
また、SDSの提供が必要であるということは、製品だけでなく情報の取扱いにも慎重を要します。SDSの作成に手間がかかり、負担が大きい場合は業務委託するのが便利です。
SDSを提供しなくてもよいケースがあることを理解しておこう
安衛法や化管法に定められた対象物質を含んでいても、製品に含まれる対象物質が既定未満、または、一般消費者の生活のために使用するプロダクトの場合などはSDSの提供は不要です。
SDSを作るのは手間のかかる作業です。該当するプロダクトについて全てSDSを作っていたら業務量が膨大になってしまいます。SDSが不要なプロダクトについてしっかりと理解して、必要な分だけ作るようにしてください。負担を軽減したい場合は、業務の一部を業者へ委託することをおすすめします。
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