GHSとは?
化学品の物理化学的な危険性、ヒトの健康あるいは環境に対する有害性は、その化学品が有する潜在的な危険有害性が、暴露された場合に危害が発生します。
その危害が発生する可能性をリスクといい、上記の式で危害の大きさを定義します。
したがい、リスクを最小化するには、危険有害性か暴露を最小化しなければなりません。
国連が勧告したGHSは、化学品のリスクを最小にするための危険有害性情報について、
国際的に統一された共通の危険有害性の評価基準と分類方法と表示方法を提供するものです。
GHSに準拠したSDSやラベルの表示により、その化学品の取扱者は、製造、輸送、使用、保管、廃棄からなるライフサイクルの其々の過程において、ヒトあるいは環境へのリスクを最小にするための方策を提供されます。国連の勧告に基づき、各国で法制化が実施され、化学品を輸送、販売する場合は、GHSに対応したSDSを添付しなければなりません。
要約すると、化学品の危険有害性のリスクを最小限にするために、世界統一した方法でばく露を管理しようというのがGHSの目的です。
危険有害性の種類
GHSでは危険有害性を、物理化学危険性、健康に対する有害性、環境に対する有害性の3種類に大別し、各危険有害性を下記の如く細分化しています。そしてそれぞれの危険有害性の程度を区分という概念で区分わけして表示します。
- 物理化学危険性
- 爆発物
- 可燃性/引火性ガス
- 化学的に不安定なガス
- エアゾール
- 支燃性/酸化性ガス
- 高圧ガス
- 引火性液体
- 可燃性固体
- 自己反応性化学品
- 自然発火性液体
- 自然発火性固体
- 自己発熱性化学品
- 水反応可燃性化学品
- 酸化性液体
- 酸化性固体
- 有機過酸化物
- 金属腐食性物質
- 健康に対する有害性
- 急性毒性 経口
- 急性毒性 経皮
- 急性毒性 吸入(気体)
- 急性毒性 吸入(蒸気)
- 急性毒性 吸入(粉塵/ミスト)
- 皮膚腐食性/刺激性
- 眼に対する重篤な損傷性/眼刺激性
- 呼吸器感作性
- 皮膚感作性
- 生殖細胞変異原性
- 発がん性
- 生殖毒性
- 授乳に対する又は授乳を介した影
- 特定標的臓器/全身毒性(単回暴露)
- 特定標的臓器/全身毒性(反復暴露)
- 吸引性呼吸器有害性
- 環境に対する有害性
- 水生環境有害性 急性毒性
- 水生環境有害性 慢性毒性
- オゾン層への有害性
SDSに記載される内容と順序
GHSでは、SDSに記載される内容と順序が下記の通り決められています。
- 第1項
- 化学物質等および会社情報
- 第2項
- 危険有害性の要約
- 第3項
- 組成および成分情報
- 第4項
- 応急措置
- 第5項
- 火災時の措置
- 第6項
- 漏出時の措置
- 第7項
- 取扱いおよび保管上の注意
- 第8項
- ばく露防止および保護措置
- 第9項
- 物理的および化学的性質
- 第10項
- 安定性および反応性
- 第11項
- 有害性情報
- 第12項
- 環境影響情報
- 第13項
- 廃棄上の注意
- 第14項
- 輸送上の注意
- 第15項
- 適用法令
- 第16項
- その他の情報
GHSラベルの基本事項
下記の基本情報は、必ずラベルに記載する必要があります。
- 製品コードと製品名
- 供給者名、住所、電話番号
- 絵表示(シンボルマーク
- 注意喚起語(危険、警告)
- 危険有害性情報
- 注意書き
基本情報の表示ルール
- 注意喚起語:「危険」を表記する場合「警告」は表記しない。
- 危険有害性情報:全ての情報をラベルに表示する。
- 注意書き:「予防策」、「応急措置」、「保管」、「廃棄」に分類する。重複した内容は統合する。
絵表示の表示ルール
絵表示は次のルールに従って表示しなければなりません。