改正JIS変更点の概要
対象JIS:JIS Z7252-2019, JIS Z7253-2019
新JIS公表:2019年5月25日
暫定期間:2022年5月24日までは、旧JIS Z7252-2014及び JIS Z7253-2012に従って、SDSとラベルを作成しても良い。
JISと法令の優先関係:法令とJIS規格が一致しない場合は、法令が優先する。
主な変更点
1)一部の危険有害性の名称が変更された。
新 | 旧 |
---|---|
可燃性ガス 可燃性/引火性ガス | 酸化性ガス 支燃性/酸化性ガス |
金属腐食性化学品 | 金属腐食性物質 |
皮膚腐食性/皮膚刺激性 | 皮膚腐食性/刺激性 |
誤えん有害性 | 吸引性呼吸器有害性 |
水生環境有害性 短期(急性) | 水生環境有害性 急性毒性 |
水生環境有害性 長期(慢性) | 水生環境有害性 慢性毒性 |
2)新規の危険有害性として「鈍性化爆発物」が追加された。
3)可燃性ガスの区分として、新規に「自然発火性ガス」が追加された。
4)化学品としての化学物質、混合物質、成形品を明確に区分した。
5)一つの成分が、皮膚腐食性(区分1)及び眼に対する重篤な損傷性(区分1)の両方に分類されていた場合、其の濃度は計算に一度だけ入れるように変更された。
6)危険有害性情報(Hコード)の追加、及び従来の危険有害性情報の一部に関し、文章が変更された。
7)注意書き(Pコード)の追加、及び従来の注意書きの一部に関し、文章が変更された。
8)各危険有害性に対応する注意書きの配置が一部変更された。
9)SDSの各項目内の全ての小項目に関し、「必須」と「任意」が明確に区別された。
10)SDSの具体的な変更点
第1項:
製品の名称が化学品の名称に変更された。
会社名が供給者の会社名称に変更された。
物質/混合物の利用が推奨用途に変更された。
第2項:
区分判定名称が変更された。
新 旧
区分に該当しない 区分外
区分に該当しない 分類対象外
分類できない 分類できない
尚、上記区分は第2項に表示しなくてもよくなった。
急性毒性と水生環境有害性の毒性がUNKNOWNのものの合計含有量を表示するように変更された。
GHS分類に該当しない化学品の全般的な危険有害性に結び付く他の危険有害性を記載するように変更された。
第3項:
濃度限界未満だがSDS作成濃度以上の成分の成分名、GHS区分、濃度を記載するように変更された。具体的に記載が必要な成分の有害性区分と濃度Cの範囲は下記の通り。
a) 呼吸器完作成 区分1 | 0.1% ≦ C < 1% |
呼吸器感作性 区分1B | 0.1% ≦ C < 1% |
皮膚感作性 区分1 | 0.1% ≦ C < 1% |
皮膚感作性 区分1B | 0.1% ≦ C < 1% |
b) 発がん性 区分2 | 0.1% ≦ C < 1% |
c) 生殖毒性 区分1A | 0.1% ≦ C < 0.3% |
生殖毒性 区分1B | 0.1% ≦ C < 0.3% |
生殖毒性 区分2 | 0.1% ≦ C < 3% |
生殖毒性 追加区分 | 0.1% ≦ C < 0.3% |
d) 特定臓器単回/反復 区分2 | 1% ≦ C < 10% |
第7項:項目名「安全取扱注意事項」が「取扱い」に、「混触危険物質情報を含む安全な保管条件」が「保管」に変更された。
第9項:物理的、化学的性質の小項目の順序変更と順序維持の義務化、及び新しい小項目「粒子特性」が追加された。
第12項:必須と任意の明確な区別化のため、生態毒性、残留性・分解性、生体蓄積性、土壌中の移動性、オゾン層への有害性の記載が必須小項目になった。この為、i.Bou-GHS_MLの小項目及びそれに対応するデータベースが大幅に変更された。
第15項:消防法に於いて、危険物のみならず、指定可燃物と消防活動阻害物質も表示できるように変更された。
11)ラベル要素として化審法第1種特定化学物質と第2種特定化学物質に該当する成分の名前と含有量を、オプション選択により、CSVで出力できるようにした。